切り口に見える小豆の粒を「夜の闇にほの白く咲く梅の花」に見立てた菓銘がつけられた、とらやを代表する小倉羊羹。見た目は重厚感があり、口あたりはなめらか。最良の原材料を用い、丁寧につくられる味は、世代を超えて親しまれています。
熟練した職人がじっくりと炊き上げたこだわりの餡と最中の皮は一体感があり、上品な食感。『御代の春』は古くは天皇の世が末長く栄えることを願った菓銘であり、転じて平和がいつまでも続くようにとの思いが込められています。
半月状に2つ折にした生地の表面にすり蜜を塗った意匠は、薄雲のかかった明け方の空にうっすらと残っている「残月」を表しています。かための生地からほんのりと感じられる生姜の風味やこし餡の濃厚な味わいと食感が楽しめます。
室町時代後期に京都で創業し、以来5世紀にわたり和菓子屋を営んできた老舗和菓子屋 「とらや」。明治2年(1869)の東京遷都に伴い、京都の店はそのままに東京にも出店。明治12年(1879)年に赤坂の地に初めて店を構え、現在に至ります。後陽成天皇の御在位中(1586〜1611)より、御所の御用を勤めています。
「おいしい和菓子を喜んで召し上がって頂く」ことを理念として、原材料を吟味し、職人が技術を磨き、手間を惜しまずひたむきに菓子と向き合いながら、上質な菓子やサービスを
提供し続けています。
「とらや」の代表的な和菓子は、『夜の梅』という小倉羊羹。小豆・砂糖・寒天のみで作られたシンプルな菓子で、切り口に浮かぶ小豆の粒を夜の闇に
咲く梅の花に見立て、この菓銘(菓子の名前)がつけられました。「和菓子は五感の総合芸術」と言われており、口に広がるおいしさ、見た目の美しさ、素材のほのかな香り、口に含んだときの食感に加え、菓銘を聴くことによって、その菓子に込められた情景が目の前に広がります。時代を超え、受け継がれてきた思いとともに、伝統の味わいをお楽しみください。
A maker of wagashi (traditional Japanese confections), Toraya was founded in the early 16th century in Kyoto where it became a purveyor to the imperial court during the reign of Emperor Goyozei, which ran from 1586 to 1611. Toraya established a foothold in Tokyo in 1869, after the national capital was transferred there on the heels of the Meiji Restoration. At present, Toraya has three factories and approximately 80 shops throughout Japan, in addition to a boutique in Paris.
- 住所:
東京都港区赤坂4-9-22
- 電話:
03-3408-2331
- 創業:
室町時代後期
- ADD:
4-9-22 Akasaka, Minato-ku, Tokyo
- TEL:
03-3408-2331
- since:
Early 16th Century